1限やめてくれ

雨が降っている。しばらく部屋に籠もっていると、晴れの日よりも、雨の日のほうが屋外の存在を意識する。雨音が聞こえるからだろうか。意識という点において、雨の日は一番外出に近い日なのかもしれない。朝に降る雨は、窓から入ってくる冷気が気持ちいい。

冷気に引き付けられて窓の前に立つ。外を覗くと水たまりが見え、雨音が違ったように聴こえる。左腕に水滴がかかってさらにひんやりする(部屋が水びたしになってしまうから、タオルを敷いた)。でもこうやってポジティブに感じられるのも、やはり屋外に出ず、雨を浴びずに済んでいるからだろう。

椅子に座ると、雨の音は少し小さく、もとどおりになる。雨が降っているのはもう一度「外」の出来事になる。身体と窓の間にある空間が感じられて、ああやっぱりここは屋内なんだなあと実感する。

なんとなくそういったことを残しておきたくて、最初の段落を書いたところで1限が始まった。大事な大事な試験の説明である。


1限が終わってしまうと、予想通り、部屋には湿気と自分しかいなくなった。幸い雨はまだ降っていたが、すっかり目覚めてしまったディジタルネイティブの頭と身体には、その雨はただ雨としか捉えようがなくなっていた。